タイヤ交換の方法~失敗しないための14の手順~

タイヤ交換の時期になると「自分でタイヤ交換しようか?車屋に持ち込みしてやってもらおうか?」と悩みませんか?

わたしの場合は、「面倒だからプロにお任せしようかな?」と最初は考えます。でもよく考えるとタイヤ交換する工具や道具は揃っているし、タイヤの積み下ろしは自分でしなければなりません。いろいろ考えているうちに、結局毎年、自分でタイヤ交換をすることになります。

とはいえ、わたしはプロではないし、特に車に詳しいわけでもありません。これまで、何度も失敗してきました。その都度、整備士さんに正しいタイヤ交換の方法を教えてもらい、少しずつ手馴れてきました。
そして今では、誰にも頼らず、自分ひとりでスムーズにタイヤ交換ができるまでになりました!

今回は素人だからこその視点で、タイヤ交換の方法を詳しく解説していきます。これから自分でタイヤ交換をしようと考えている人が、私と同じ失敗をしてしまわないように、あるいは同じ失敗してしまったときのために、私の失敗談や体験談も掲載しています。タイヤ交換の際に、ぜひ、参考にしていただければと思います。

タイヤ交換の手順
作業時間目安:1時間
1.タイヤ交換に必要な道具を揃える
2.タイヤの状態をチェックする
3.タイヤ交換する接地面をチェックする
4.タイヤの交換位置を決める
5.車のサイドブレーキをかけておく
6.タイヤのホイールキャップを外す
7.ナットを少しだけ緩める
8.ジャッキで車体を持ち上げる
9.ナットを外しタイヤを交換する
10.ナットを締める
11.ジャッキを下ろす
12.空気圧をチェックする
13.タイヤにワックススプレーを吹きかける
14.タイヤカバーをして片付ける

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1.タイヤ交換に必要な道具を揃える

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タイヤ交換に必要な道具を揃えましょう。

  • 換えタイヤ
  • 換えナット
  • ジャッキ
  • 輪留め
  • ホイールナットレンチ(インパクト)
  • 潤滑サビ止めスプレー
  • マイナスドライバー
  • 軍手
  • タイヤワックススプレー
  • タイヤカバー

⇒プロが厳選!車のタイヤ交換の工具・道具おすすめ!!

2.タイヤの状態をチェックする

タイヤ交換をする前にまずはタイヤの磨り減り具合をチェック。全てのタイヤにはタイヤがどれくらい磨り減っているかどうかを確認できる「スリップサイン」という目印があります。ここを参考にタイヤの磨り減り具合をみて買い替え時期を判断しましょう。

スリップサインの見かた

タイヤの側面をよく見てみると△マークが周上6箇所付いているのが分かりますか?その延長線上を辿っていくとタイヤの溝にモッコリした部分があると思います。このモッコリ部分(1.6mm)を「スリップサイン」と呼びます。

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通常はこのスリップサインが接地面と同じ高さになる前に、タイヤを買い替えなければいけません。ちなみにスリップサインの出ている(残り溝が1.6ミリをきった)タイヤは車検でひっかかるので注意。

他にもひび割れして劣化していたり、変形している、タイヤのゴムが硬くなっているなどのときはタイヤ交換を自分でせずに業者に持っていって相談した方が良いです。
⇒タイヤ買い替えの時期とタイヤの選び方

3.タイヤ交換する接地面をチェックする

タイヤ交換するときはジャッキを使うので地面が柔らかい土だとめりこんだりグラグラしたりして危険。アスファルトかコンクリートなどの固い地盤上で作業しましょう。また、地面が水平であることも確認してください。

4.タイヤの交換位置を決める(ローテーション)

タイヤによっては付ける位置が右側か左側かが指定されているタイヤがあります。わたしは今回、タイヤ交換が終わってからスタンドに行ったときに店員さんに
「あれ?これはタイヤの位置が違いますね」
と言われてビックリしました。

私「え?タイヤって位置が決まってるんですか?」
店「ハイ。あるのとないのがあるんですけど」
私「え?でも位置が違っても大丈夫ですよね?←必死」
店「えーと、溝の形が違ってるんで、燃費と水はけ、あとブレーキとか多少影響ありますけどね。。。」
と言われ帰って泣く泣くやりなおしました。

帰ってタイヤの側面をよく見てみると

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このような表示がありました。
上の写真は「RIGHT(右)」と「⇒」の表示で右側専用、⇒はタイヤの回転方向を示しています。ちなみに冬タイヤ(スタッドレス)には指定の表示がなかったので前後左右どこでも良いということです。

タイヤの方向性の指定が無い場合はタイヤ位置をローテーションすることをおすすめします。理由は前輪と後輪でタイヤの擦り減り方が違うからです。
一般的には前輪はショルダー(両端)部分、後輪はセンター部分に磨耗が起こりやすくなっています。

また、FF車(前輪駆動/国産車に多い)とFR車(後輪駆動/大型車やスポーツカーに多い)でも磨耗が変わってきます。

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参照:GOODYEAR

正確には上の図のローテーションです。
FR車を参考にすると
右前⇒左後
左前⇒右後
右後⇒右前
左後⇒左前
となっています。

タイヤをローテーションすることで磨耗が均一になり、タイヤを長持ちさせることができるわけです。タイヤ交換が終わったらどの位置にあったタイヤなのか目印をつけておくと次回のタイヤ交換で役に立ちますね。

5.車のサイドブレーキをかけておく

タイヤ交換の前にサイドブレーキをかけておきます。以前にサイドブレーキを忘れていてナットを締めた拍子に車体がジャッキから外れて落ちてきたことがあります。背筋が凍りました。しっかり確認しましょう。また、後輪をジャッキであげる際は前輪に輪留めをしておきましょう。

6.タイヤのホイールキャップを外す(冬⇒夏タイヤの場合)

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軍手をはめてホイールカバー(ホイールキャップ)を外します。なかなか素手では外せないのでマイナスドライバーを使ってテコの原理で外すと楽チンです。できれば工具に布などを当てるとカバーが傷つかないですみます。また、ホイールキャップレンチというホイールキャップを簡単に外せる便利な工具もあります。

7.ナットを少しだけ緩める

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ジャッキで車体を上げる前にホイールナットレンチでナットをほんの少しだけ左回りに緩めます。

8.ジャッキで車体を持ち上げる

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軽自動車の場合は車体の下に取っ手みたいなとこが四隅にそれぞれあるのでここにジャッキをかけます。軽じゃない車は取っ手部分がないことが多いですが、切り欠きなどの目印があると思います。無い場合は説明書で確認してください。

横着して、適当な部分にジャッキをかけると、ものすごく危険です。わたしは一度、ジャッキをオイルタンクの鉛部分にかけて穴を開けてしまい、ただれ落ちてくる緑色の液体に激しくおびえたことがあります。会社の車だったので相当怒られました。

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ジャッキの圧が締まっていることを確認して車に対して垂直に入れ、タイヤが3~5cm浮くくらいまで車体をグイグイ持ち上げていきます。

9.ナットを外しタイヤを交換する

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ナットとタイヤを外し、交換する夏タイヤをねじ穴にガチャっとはめこみます。なるべくタイヤの下ではなく横をもって取り外しした方が安全です。このとき、タイヤワックススプレーがあればあらかじめ交換するタイヤの内側にスプレーしておきましょう(※接地面には吹きかけないこと)。

10.ナットを締める

ナットを対角線上に締めていきます。
(軽自動車はネジが4つなので上下左右の順)
一気に締めずに少しずつ繰り返し締め上げます。

わたしはナットにサビ止めスプレーをしていましたが、しない方が良いとアドバイスを受けました。
締め付け力が過大になり、ナットやボルトを傷めるだけでなく、緩んだり折れたりする原因にもなるそうです。

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ナットの調整には気を使ってください。ナットの締め方が強すぎると、次に交換するとき外すのが大変だし、男性の場合、力いっぱい締めるとネジがなめてしまうことがあります。一度ガソリンスタンドで頼んだらねじ切られたことがありました(泣)

また逆に締め方が緩いと、タイヤが走行中に脱輪するという笑えない事態になります。しっかりと対角線上に均等に締めることが大切。

トルクレンチが便利!

ナットの締め付け具合(トルク値)はボルトのサイズによって違います。説明書で確認してみてくだい。わたしは体感でタイヤの締め付けをしていましたが、締め付けもきちんとしないと危険だと聞いてからは締め付け値が分かるトルクレンチを使用するようになりました。ぜひ、トルクレンチを1つ持っておくことをおすすめします。

整備士さんの話によると21mmのソケットレンチを使うナットであれば108N・m、19mmのものであれば100N・m程度だそうです。

ナットの向き

あと、夏タイヤのナット(袋ナット)は入れる向きに困らないのですが、冬タイヤのナット(貫通ナット)はどっち向きにナットをはめるか分からなくなることもあると思います(わたしだけ?)。

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この凹のある方(先の細い方)がタイヤのホイール側です。

11.ジャッキを下ろす

ジャッキをゆっくり緩めて下ろし、最後にもう一度ナットの締まりを確認します。外したタイヤは次回のタイヤのローテーションが分かるように目印をしておくことをおすすめします。

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冬タイヤの場合はここでホイールカバーをすることになりますが、タイヤの空気を入れるチューブの場所をしっかり確認してカバーをはめ込みましょう。

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去年わたしは無造作にホイールカバーをはめた故に、空気を入れるチューブを折ってしまい、せっかく換えたばかりのタイヤをパンクさせて死にたくなりました。

12.空気圧をチェックする

タイヤ交換で忘れてはいけないのが空気圧チェックなんですが、これはガソリンスタンドで頼めば無料でやってくれます。ちなみに空気圧が極端に減った状態で道路を走るとタイヤがバースト(破裂)するので注意。燃費にも関わってくるのでしっかりチェックしておきましょう。

自分で空気圧を調整する方法

最近はセルフスタンドが増えているので自分でやってみたい人のために一応説明しておきます。
まず、タイヤの空気圧を調べます。空気圧の数字は運転席側のドアを開けたら普段はドアで隠れてる部分に貼ってあります。(軽自動車は前輪後輪とも210か220だと思います)

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次にガソリンスタンドにある空気圧を入れる機械で右側にあるダイヤルを回して数値を合わせます。

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あとはタイヤのチューブのフタを外してまっすぐ押し当てるとシューと音がして勝手に空気が充填されます。
(まっすぐ押し当てないと逆に空気が抜けることもあります。わたしは前回、空気が抜けてしまって結局スタンドの人に入れてもらいました。)
充填されると空気圧を入れる機械から「カキンカキン」という金属音がします。使い終わったらタイヤチューブのふたをして完了。空気圧の機械はダイヤルを0にもどしておきましょう。

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13.タイヤにワックススプレーを吹きかける

空気圧をチェックしたら、家に帰ってタイヤにワックススプレー(水性)をかけます。これでツヤが出るし、タイヤの劣化も防げ、長持ちします。タイヤは決して安いものではないので、ここでしっかりメンテナンスすることで数年は寿命が延びるはず。もちろん、交換したタイヤにもスプレーをしておきましょう。(※タイヤワックススプレーは接地面にワックスをすると滑って危険ですので必ずサイドのみにスプレーするようにしてください。)
タイヤのワックスは油性?水性?どっちが良い?

14.タイヤカバーをして片付ける

最後に交換し終わったタイヤにタイヤカバーをかけることで酸化も防げます。
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以上タイヤ交換の方法を紹介しましたが、車屋やガソリンスタンドにタイヤを持ち込んで頼めば、工賃含めてだいたい1本500円でしてくれます(4本で料金2000円程度)。タイヤ交換の時期は込み合うので早めにタイヤ交換しておきましょう!

タイヤ交換おすすめツール

自分だけの力でタイヤ交換をする際に、あると便利なグッズを別記事で紹介しています。持っていれば、確実にタイヤ交換がラクになります。わたしもこれらの便利グッズを知って、タイヤ交換が非常に早くて楽になったし、なにより安全面で安心できるようになりました。プロにいろいろお話を聞いて役立つすぐれものだけを厳選しましたので、ぜひ、チェックしてみてくださいね♪
⇒プロが厳選!車のタイヤ交換の工具・道具おすすめ!!

※コメントをくださった専門家の方々、ありがとうございます。
都度、記事に反映させていただいております。
※あくまでわたしのやり方なのでご自分でされるときは自己責任でタイヤ交換してください。

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20 thoughts on “タイヤ交換の方法~失敗しないための14の手順~

  1. パンク野郎

    分かりやすくて
    参考になりました。
    パンクで困って
    四苦八苦してました。
    謝々ー!!

  2. キンタロウ 投稿作成者

    >パンク野郎さん
    コメントありがとうございます!
    パンクでも参考になったようで良かったです^^

  3. キンタロウ 投稿作成者

    >jin様、リクエストありがとうございます。
    記事追加いたしました^^

  4. タイヤ交換素人

    お薦めの油圧ジャッキ、インパクトレンチがあれば教えてください。

  5. 東海林キナコ

    兄から油圧式のジャッキを
    貰ったので
    十字レンチを買い
    初めて1人でやってみました!
    2回程読んで
    取り掛かり…
    キンタロウさんの
    書かれた通り
    丁度、1時間程
    掛かってしましましたが…
    (やる前は、それ程掛からないと
    踏んでまして(´・Д・)」)
    自信がつきました!!
    大変、参考になり
    ありがとうございました(=^x^=)

  6. キンタロウ 投稿作成者

    >東海林キナコさん
    これからタイヤ交換する度に慣れて作業が早くなりますよ♪
    がんばってください。コメント励みになります。ありがとうございました!
    キンタロウ

  7. 脱輪させたアホが通ります

    かつて車付属のマニュアルだけを熟読し、冬タイヤに替えてトルクレンチでトルクも完璧!と思っていたところ…

    なにやらカラカラ異音がするなぁ…と思って走らせていたら、脱輪した経験があります。

    オートバッ◻︎スに泣く泣く持ち込んだところ、トルク値はマニュアルより少し高めに設定しても良いと言われました。

    また、安めのトルクレンチは正確なトルク値が反映されなかったり、プリセット型だと中のバネが緩んだりで狂ったりするので少し強目でいいかもしれませんね。

  8. キンタロウ 投稿作成者

    そうなんですね^^
    トルクは少し強めで締める!勉強になりました。

  9. byalfy

    とても参考になりました。
    車の整備になど素人の私でも1人でスタッドレスタイヤに
    交換することができました。
    ありがとうございました。

  10. 通りすがりさん

    記事とてもわかりやすかったです、ありがとうございます。

    様々な失敗をされてきたようですが、それでもめげずに
    ちゃんとタイヤ交換出来るようになっている所に
    自分でもできるんでは?と自信が持てました(笑)

  11. カムイ

    とてもわかりやすかったです。
    タイヤ交換終わった後に、100Kmほど走行したらナットを増し締めする事を追加して下さい。
    特に初めて作業する人もいると思うので、とても大事なポイントだと思います。ナットを自分ではしっかり締めたつもりでも、少し走ると緩んでくる所が出てくるので注意です。

  12. ユニバーサル・タイム

    微に入り細に入りの手ほどき有難うございました。1つの経験をお伝えします。タイヤに空気を補給した折に、バルブキャップをポロリと落としてしまいました。運悪くホイルカバーの下の方へ、転がり込みました。空いている窓から手を入れてみたら、指先にキャップが触りました。しかし外からは見えない。どうしたものか?ガムテープを思い出し、粘着面だけで輪を作り一端を指に強く接着させ、輪を尖らせ周りのカバーに触らないように入れてみた、一回目は失敗、2回目にキャップがくっついて出てきました。ヤレヤレでした。ある程度「可塑性の有る」箸状の棒があれば簡単だろうと思いました。外から見えないので歯科医の小さな鏡があれば良いと思う。

  13. たまたま見た人

    そろそろタイヤ交換の時期で、どうしようかと悩みながら検索で調べてたところ目にしました。同じく素人目線で説明してあり、色々な失敗談も参考になりました(笑)私も普通にやってしまいそうな失敗談だったので、とても参考になります!緑の液が漏れたら確かに怯えてしまいます!

    これを読んで、ちょっと自分でやってみようと思いました!やってみる勇気を貰えました。有難うございます!

  14. R.N

    ホイルカバーの中にバルブのキャップが入ったら、ホイルカバーはずしてとったほうが楽。
    ガソリンスタンドのバイトに空気圧見てもらったら、ホイルカバーの中にキャップ落としたんで自分で、ホイルカバーはずしてとったことがある。

    昨日、タイヤはずすの失敗して、ボルトとナットの山を潰してしまいへこみ中。
    後輪にリッジトラック2個、バンパー下に油圧ジャッキを使い失敗した。
    タイヤは1本づつはずした方がいい。ナットが外れないときは無理しないほうが無難。

  15. y、nagata

    タイヤ交換場所は平らな地面のコンクリート等しっかりしたとこで作業してください。小石まじりのばしょでジャキアップしてジャッキがずれて失敗した経験から。。。

  16. Yazawa

    とても分かりやすい説明で役に立ちました。今後は自分でできます。

とりあえず何か書いてく?(・ω・`)

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