三徳山投入堂(みとくさんなげいれどう)は鳥取県東伯郡三朝町にある断崖絶壁に建てられた他では類を見ない珍しいお寺(国宝)です。霊場(パワースポット)としても素晴らしく人気があるのですが、日本で最も参拝するのが難しい寺と言われています。そのあまりに険しい道からは頻繁に滑落事故が起こっているとても危険な山なのです。
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三徳山投入堂へ登るきっかけ
鳥取県民のわたしとしてはいつかは投入堂へ挑戦しようと思っていたんだけれども、その「いつか」がとうとうやってきました。
わたしの遠い親戚にあたる日系アメリカ人一家が来日していて、三徳山の投入堂へ登りたいと言っているそうなのです。その話を聞いたわたしは「これを逃すと2度と登る気にはならないのでは?」と思い同行させてもらうことにしました。
準備を整え、親戚と合流
まずは準備。季節は初夏だったので服装はジーンズにTシャツ、野球帽、靴は登山靴はないのでスニーカー、軍手、タオルを首に引っ掛ける。財布やカメラなどはポシェットに入れる。そして車で日系アメリカ人たちと合流するために親戚の家へ。
親戚の家に着き、玄関に入るとアメリカ人が1人、2人、3人。。。Σ(´Д` )えっちょっと待って何人いるの?玄関先でたじろぐ私の前に5,6人のアメリカ人と日本人のおじちゃんおばちゃんらの大所帯が現れる。
1人1人自己紹介をしてくれたんだけど、多すぎて名前を全く覚えられない。唯一覚えたのは、日系のアメリカ人一家のお父さんの名前が「ジョン」だということだけでした(なぜ覚えられたかというと彼だけ日本人に近い顔をしていてベタな名前だったから)。
いざ三徳山へ
車で三朝町に入り、三徳山にむかってグングン登っていきます。
途中で鳥居があって、そこを車でくぐってしばらく行くと、体感温度が急に下がります。この感じは標高差ではなく結界と呼ばれるもの。以前に何度も結界を感じたことはあったのですが、体感温度で分かるということはかなり強い結界であることを示してします。
そこを超え、更に山へ登っていくと三徳山の入口に到着。駐車場はグルッと回った場所にあり、そこへ停めて歩いていきます。
車から出てきたジョンはなぜかベトナム人がかぶるようなトンガリ笠をかぶってでっかいカメラをぶら下げていました。その息子たちは短パンにハイソックス、ハチマキにサングラス。。。
一家してだいぶカン違いした格好ですが、まぁ面白いので流しておくことにしました。
ただ、大変危険な山であることや、滑落事故でよく亡くなられる方が出ているので注意するように言いました。それに対しジョンは下の魚の養殖場を指差しながら「ジャパニーズフィッシュイズベリーデリシャス」と答えていました。わたしの英語が通じていることを切に願うばかりです。
そのあと、石段を登り、拝観料を納めます。更に歩を進めると、両サイドにお寺がズラーと並んでいて、最終的に三佛寺(さんぶつじ)に到着。ここでお寺をくぐると投入堂までの受付をすることになります。
入山料(大人600円)を支払い登山名簿に名前を書き「六根清浄」と書かれた輪袈裟を肩にかけます。六根清浄とは六根(目・耳・鼻・舌・身・意)を清浄(煩悩や私欲から遠ざかること)するって意味。修行ですからね。
更に服装チェックをされるのですが、ジョン一家はあんなにふざけた格好をしていたのにあっさりスルーされ、逆に私はスニーカーを履いていたんですけど、それではダメということでわらじ(500円)を買って履かされました。そのわらじが小さくてサイズが合わず、けっこう痛かったです。
靴下も売っていたんですが、ここでジャパニ魂を見せつけようとやせがまんして素足でわらじを履いたのが失敗でした。歩いているうちに足が猛烈に痛くなり顔が歪んできます。
それを見ていたジョンが気づかって声をくれました。
(・∀・;)「アーユーOK?」
すかさず流暢な英語で返す。
(;´Д `)「アイアムわらじイズベリーイタイ。アイアムノットガマン」
それを聞いていたジョンの妻が「じゃあその軍手を足に履いてみれば?」というゼスチャーをしてきます。普段ならそんなマヌケな格好は絶対しないんですけど、このときのわたしは思考回路ゼロ。ワラにすがる思いで(ワラジだけに)軍手を足の指にいれて履いてみました。
すると、なんとこの軍手ソックスが意外にフィット。痛みがだいぶ緩和されました。お礼を言おうと振り向いた瞬間、ジョンの妻が腹筋崩壊。ひとしきり笑ったあと、軍手靴下にカメラを向けてしきりにシャッターを切っていました。
自分で勧めておいて爆笑するなんてデリカシーがないなぁと顔を赤らめながら思いました。おそらく風景やお寺よりも写真を撮られてた気がします。
山道を少し歩くと、木の根を伝って登るという(かずら坂)サバイバルに。これ、登れるの?と思う私をよそに、ジョンの息子兄弟たちは競うようにスルスルと上っていくではありませんか。ハイキング気分だった私にとってはかなりキツイ山道でした。更に
ファイトー!( ゜ロ゜)乂(゜ロ゜ ) イッパーツ!
と叫びたくなるようなクサリをつたって登っていく坂(クサリ坂)を登るとようやくお寺に到着。
しかしここは投入堂ではなく、「文殊堂」と呼ばれるお堂。靴を脱いで上がると絶景が広がっているのですが、1mほどの幅の縁側には柵は無く、おまけに水切りのために少し斜めになっています。そして下は目も眩むような崖。なのでお堂に背中を預けて忍者のようにソロリソロリを歩く。
文殊堂を過ぎると、今度はでっかい岩を越えるコース。すぐ横は崖。雨の日は絶対来たくないです。
そこを越えると地蔵堂という文殊堂と同じ造りのお堂に到着。やっぱり高いところは苦手だなぁ。
更に先へすすむと鐘楼堂という2トンもの鐘がお出迎え。一応突いてみました。ゴーン。いい音がするんだけどこんな高いところに持ってくるのはさぞかし苦労したんだろうなぁ。
ちなみに大晦日に撞く鐘はこの鐘です。応募すれば住職さんと同行して撞かせてもらえるらしいのですが、かなりの勇気と体力が必要。それでも毎年30人ほど集まるというから驚きですね。
馬の背、牛の背と言われる難所を進むと納経堂があり、その先の観音堂の崖の窪みを周って向こう側の元結掛堂を越えると投入堂が目の前に。
ここがゴールなんですが、お堂を見るだけでUターンするのはなんとも忍びない気持ちになります。後も詰まっていたので写真をとってすぐさま引き返しました。
下りは登りよりも慎重に。。。とにかく雨の日やその前後は危険ですね。ジョンファミリーもぐったりしていました。下界に到着したときには汗でぐっしょりになっていてヘトヘト。
でも、不思議とまた登りたいなぁという気持ちになりました。今度登るときは天気の良い日に万全のスタイルで挑みたいものです。
(みとくさんさんぷくじなげいれどう)
住所:鳥取県東伯郡三朝町三徳
往復所要時間目安
登山事務所から約1時間30分~2時間
受付時間 8:00~15:00
入山料 大人 600円、小人(小中学生) 300円
※2人以上で入山すること
※安全対策で、滑りにくい登山靴、運動靴、ワラぞうり(販売)で入山すること
(つえ、金具やスパイクのついた靴での入山は禁止)
※火器類の持ち込みは禁止
※荒天時は入山を禁止。(積雪時入山禁止)
問い合わせ
三徳山三佛寺
TEL 0858-43-2666
三朝温泉観光協会 三徳山三佛寺投入堂
TEL 0858-43-0431
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